「ダーウェ」と声に出してみる。
呪文みたいだ。あるいは、アフリカの小さな村の夕暮れに響く歌のような。いずれにしても、一度聞いたら忘れにくい。
ルワンダ南部州、ギサガラ郡。標高1,630メートルの高地に、そのコーヒーウォッシングステーション(CWS)はある。今回が初の取り扱い。ルワンダのニュークロップ第一弾として、この豆が選ばれた。
なぜ選ばれたのか。一口飲めば、すぐにわかる。
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このコーヒーは、急がない。
最初に来るのはドライアプリコットだ。干し杏子のような、甘くて少しざらついた、あの感触。無口で、黙って甘さだけ置いていく。
次にオレンジが来る。こいつはおしゃべりだ。急に明るくなる。晴れた日の午前中みたいに。
最後に、ほうじ茶とブラウンシュガーが静かに座る。
三人が順番を守って挨拶している、そんな一杯だ。
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ダーウェCWSが面白いのは、コーヒーだけで完結しようとしていないところだ。
農場は6つの区画に分かれている。マンゴー、パイナップル、アボカド。そして牛舎。家畜を飼って、オーガニック肥料を自分たちで作る。地域の農家に開放する区画まである。
「持続可能なエコファーム」という言葉は、最近どこでも見かける。使い古されて、少し安っぽくなってしまった言葉でもある。でも、ダーウェがやっていることを見ると、これはただのキャッチコピーじゃないな、と思う。
昨年から操業を始めたばかりのCWSが、地域の礎になろうとしている。志がある。それは確かだ。
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精製プロセスも、丁寧の一言に尽きる。
チェリーが持ち込まれると、まず重量を量り、フローティングタンクで浮力選別。パルパーで果肉を剥いで、6〜12時間のドライファーメンテーション。比重選別、手選別と続いて、ドライングテーブルへ。
ここからが、特に印象的だ。
30分ごとにスタッフがパーチメントを攪拌する。雨の日と、気温が上がりすぎる時間帯はビニールで覆って保護する。急激な乾燥も、乾燥ムラも、許さない。
手間がかかる。ものすごく。でも、そういうプロセスを経たコーヒーは、やっぱり違う。数字では説明しにくいけれど、カップに現れる。
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飲み終わってから、もう一度「ダーウェ」と声に出してみた。
やっぱり呪文みたいだ。でも今度は、その意味がわかった気がした。
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🇷🇼 Rwanda Dahwe
・生産地:ルワンダ 南部州 ギサガラ郡
・精製所:Dahwe WS
・標高:1,630m
・精製:ウォッシュド
・品種:ブルボン / RAB C15
**Light, Aroma, and a Cup.**